公益財団法人イオンワンパーセントクラブ

第6回 中学生食の作文コンクール

食育ツアー

公益財団法人イオンワンパーセントクラブでは、毎年作文コンクール金賞受賞者を、各都道府県の食文化を体験できる食育ツアーにご招待しております。

2020年度

オンライン上で食育講座

2020年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、例年行っている食育ツアーは中止となりました。代わりにオンライン上での食育講座を開催し、特別なおうち時間を体験していただくために「お醤油味くらべ」「鰹節削り」を体験していただきました。

お醤油味くらべ

一口にお醤油と言っても、その種類は様々。今回は5種類のお醤油を用意し、それぞれの違いを実際に味わっていただきました。

鰹節削り

初めての鰹節体験でコツをつかむまで大変ですが、皆さんカメラを忘れて夢中で取り組んでくれました。削りたての鰹節の豊潤な味わいをスープで楽しんでいただきました。

2019年度

群馬の食文化を体験

小麦生産が盛んで「粉食文化」の伝統が伝わる上州(群馬県)の郷土料理をめぐる食育ツアーに参加しました。11月23日はバスで渋川市の伊香保温泉に向かい1泊。翌日は小麦を材料とする「せんべい」「うどん」「しょうゆ」の生産地見学や試食体験を安中市で行いました。移動中のバスの中を含め今回の作文テーマ「朝食」についてディスカッションもし、作文を通じた親睦を深めることができました。

小麦粉を練ってうどんづくり

群馬県産のすきやきや刺し身こんにゃく、イワナ料理の夕食のあと、小麦粉を練ってうどんづくりにトライ。ボウルに入れた小麦粉に塩水を2、3回に分けて混ぜ、よくこねます。練り上がった小麦粉のかたまりを二つに分けてビニール袋に入れ、ひと晩寝かせます。お楽しみは、明日のお昼。

群馬県の各家庭にあるといわれる手動製麺機を使って、昨夜こねた小麦粉のかたまりを2度3度と延ばした後、切って麺にします。すぐゆでて、薬味に入ったつゆにつけて、自分でつくったうどんをおいしくいただきました。

老舗しょうゆ蔵を見学

訪問した安中市の有田屋は、江戸時代の天保3(1832)年の創業。以来180年余もの間、昔ながらの天然醸造の製法にこだわってしょうゆをつくってきました。

製法は、大豆と小麦に種こうじを混ぜてしょうゆこうじをつくります。これに食塩水を加え約2年熟成させて出来上がったもろみを搾り、火入れ殺菌、ろ過してしょうゆが仕上がります。

蔵を見学した後、もろみからしょうゆをつくる「しょうゆ搾り」を体験しました。蛇口から出てきたしょうゆをビンに詰め、ラベルをはってお土産にいただきました。

アツアツ磯部せんべい

サクサクした食感と、とろりと溶ける風味の磯部せんべいは、群馬県産の小麦粉と砂糖に、磯部温泉の鉱泉を原料とした名物せんべいです。

訪れた栄泉堂では1枚ずつ手焼きで作っていました。アツアツの焼きたてを試食させていただきました。

ディスカッション「理想の朝ごはん」

今日、朝食ビュッフェで食べたメニューについて、その料理を選んだ理由は?いつもの朝食と比較して何か違うところは?一番おいしかったものは?――今朝の食事を振り返ることから、理想の朝ごはんって何だろう、これから大切にしていきたいこと、といったテーマで、2班に分かれて話し合いました。各班からは、栄養バランスがとれた食事、家族と一緒に食べる食事、たくさんの種類が入った食事――など望ましい食事について意見が出されました。朝食欠食に対する議論もしました。

2018年度

愛知の食文化を体験する
食育ツアー

日間賀島(ひまかじま)に1泊してタコの干物づくりにトライ!

愛知県西部の知多半島とその周辺エリアでは、豆味噌(八丁味噌)、たまり、みりん、酢など日本を代表する調味料が長年にわたって育まれてきました。世界遺産となった和食に欠かせないこうした伝統調味料の生産地を訪ね、参加者は郷土食を守り続ける人々と触れ合いました。

タコの干物づくり体験

三河湾に浮かぶ離島の日間賀島は「タコの島」として知られています。「タコ飯」発祥のこの島で、タコの干物づくり体験や、タコ漁の歴史・食文化を学びました。

ミツカンミュージアム訪問

半田市にあるミツカンミュージアムで、酢づくりの歴史やものづくりのこだわりを学びました。見学のあとは伝統製法の「酢」をつかったお寿司を味わいました。

三河みりん見学

碧南市では、本格みりんを作り続ける蔵元を見学し、みりんがどのように出来るかを学びました。みりんが「もち米」からできていることを知り、実は昔、甘口の高級酒として親しまれていたことなど学びました。

豆味噌・たまり見学

知多半島中央部の武富町には、たまり醤油の蔵元が集中しています。味噌・醤油の様々な種類について学び、味噌と醤油の作り方の違いについても説明を受けました。

クッキング

最後は、ツアーで見てきた素材や調味料を活かして、タコ飯や味噌玉(即席味噌汁)などの料理を作りました。作る楽しみ、みんなで食べる喜びを味わいました。

2017年度

ちばの郷土料理体験と
料理の神様に出逢う
食育ツアー

黒潮と親潮がぶつかる太平洋に突き出た房総半島に位置する千葉県には、風土が育てた数多くの郷土料理があります。
「あなごの鉄砲煮」「豆茶の子」「ずいき飯」「いもこうせん」「せいがく性学もち」「のっぺい」「からなます」……、名前からだけではどんなものかよくわかりませんが、それぞれに家族や故郷の暮らしの中で一品一品異なる由来や味が込められています。そんな郷土料理づくりの体験と、日本料理の伝統が今に伝わる珍しい「庖丁式」を、食育ツアーに参加者は満喫しました。

郷土料理「太巻き寿司」づくり

切り口が桃やバラの花、アゲハチョウなどの文様を描く太巻き寿司づくりにチャレンジ。紅梅かんぴょう、桜でんぶ、薄焼き卵やほうれん草、のりなどをていねいに重ねて巻いて作ります。カラフルな色使いや多彩な文様が並ぶ太巻き祭り寿司は、冠婚葬祭など地域の行事食として伝わってきた千葉の恵みたっぷりの郷土料理を楽しみました。

チッコカタメターノ

風変わりな名前の「チッコカタメターノ」は、牛乳に酢を入れて、加熱、蒸す、湯煎するなど、さまざまな作り方で200を超える料理があります。チッコカタメターノの食文化が伝わる南房総市―鴨川市にまたがる「嶺岡牧」は、八代将軍・徳川吉宗がここで近代酪農を始めたといわれ、「日本酪農発祥之地」の記念碑が建っています。

提げ重

南房総では集落の寄り合いなどの時に、手提げ付きの重箱(=提げ重)に各家庭で作った自慢の料理を詰めて持ち寄り、皆で楽しく食べる風習があります。中に入るメニューは、くじらのコロッケ、からなます、つみれ汁、ろくすけ餅など。南房総市の古民家ろくすけでいただきました。

日本料理の伝統を伝える「庖丁式」

南房総市千倉町に建つ「たかべ高家神社」は、日本で唯一、日本料理の神様を祀る神社として知られています。ここで毎年5月17日、10月17日、11月23日に一般公開される「庖丁式」は、左手に「真魚箸」、右手に「式庖丁」を持って、鯉や真鯛、真魚鰹など食材に一切手を触れることなくさばく厳粛な儀式です。生き物の殺生への供養や感謝の心がこめられており、日本料理の精神を伝えているともいわれます。今回は、中学生作文コンクール金賞受賞者の訪問に合わせて、特別に披露していただきました。